世界の非代替性トークン(NFT)セクターの時価総額は15億ドルを下回り、2021年のNFTブームが本格化する前の水準まで後退しました。
CoinGeckoのデータによると、この下落は過去2週間にわたる暗号資産市場全体の調整と並行して進行しています。1月23日時点で約3.1兆ドルだった暗号資産全体の時価総額は、金曜日には2.2兆ドルまで縮小しました。
ビットコイン(BTC)は約8万9,000ドルから6万5,000ドル付近まで下落し、イーサリアム(ETH)も同期間に3,000ドルから1,800ドル近くまで値を下げました。NFTデータアグリゲーターのCryptoSlamによると、直近30日間の取引量では、ビットコインとイーサリアムがNFT取引の主要ネットワークとして上位を占めています。
NFT時価総額の縮小は、相次ぐ注目度の高い事業撤退やプラットフォーム閉鎖の流れと重なり、このセクターが継続的に縮小している現状を浮き彫りにしています。
供給の増加と需要の減少が衝突
今回の市場リセットは、NFTの供給量と購入者需要の間に生じている不均衡によって、さらに深刻化しています。
Cointelegraphが12月31日に報じたように、売上高や価格が下落する一方で、NFTの総供給量は拡大を続けており、市場は大量・低価格化の構造へと移行しています。
CryptoSlamのデータによると、2025年に流通するNFTの総数は前年から25%増加し、約13億点に達しました。一方、NFTの年間総売上高は前年比37%減の56億ドルとなり、平均販売価格は100ドルを下回っています。
この乖離は、鋳造コストの低下や参入障壁の緩和によって供給が拡大した一方で、購入者の参加や支出がそれに追いついていないことを示唆しています。
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企業の撤退やプラットフォーム閉鎖が圧力を強める
今回の下落は、市場環境の悪化を反映した一連の注目すべき企業撤退や事業縮小の動きに続くものです。
1月7日、スポーツ用品大手ナイキは、NFTブームの最盛期に買収したデジタルコレクタブルスタジオRTFKTを非公開の形で売却しました。この動きは、同社が投資家からの訴訟を受けてRTFKTの事業停止を決定した後に行われたものです。
また、NFTマーケットプレイスの閉鎖も相次いでいます。初期のNFTプラットフォームの1つであるNifty Gatewayは、2月23日にサービスを終了し、出金専用モードへ移行すると発表しました。Gemini傘下の同社は、長期的な市場低迷を事業終了の理由として挙げています。
さらに1月28日には、ソーシャルNFTプラットフォーム「Rodeo」が、持続可能な規模への成長に失敗したとして事業停止を発表しました。同社は3月の完全閉鎖に先立ち、読み取り専用モードへ移行しています。
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